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お墓参りのマナーを確認して失礼のない様にするには?

お墓参りは、殆ど家族だけでするものであり、祭祀の中でも地味な印象があります。人によっては、葬儀に対するものよりも知識が少ないかも知れません。
お墓参りに行く段になって、何をするかが分からなくなったり、後始末で失敗したりといった事態は防ぎたいもの。
お墓参りの意義、マナーや方法、道具などを今回説明します。

お墓参りとは

お墓参りの意義

お墓参りとは、一体何のためにするものなのでしょうか。
それは世に自分を送り出していった後、他界した親や祖父母、さらには先祖達に感謝するためです。
今の自分があるのは、先祖達の積み重ねあってこそ。先祖たちが生活を安定させ、子を成し、さらにその子達を育て上げなければ、自分は存在していないのです。
この先祖に対する感謝の気持ちを持つ事は、自分の命が他人によって支えられて来たからこそ今日まで保たれて来たのだという、社会全体に対する感謝の気持ちでもあります。
その感情は、隣人同士でも支え合おうとする連帯感となっていき、社会の平和と幸福にも繋がると言えます。

お墓の発祥と意義

お参りの対象である、お墓とは何なのでしょう。

お墓とは死者が納められた場所。つまりは「死者の魂とはここに行けば会える」と表しているものであり、実体の無い「魂」という概念を身近に感じられる様に作られた物だと言えます。

埋葬の習慣自体は人類誕生の時代にすら名残が見られるほど古いものです。それに対しお墓なる物は長年、権力者のシンボルとして扱われていました。庶民にも普及したのは、経済発展した近代に入ってからの話です。

言い換えれば、お墓を持つとは心身の余裕の象徴であり、お墓参りをするのはそれを保つ行為だとも取れます。

お墓参りの作法、仕方

作法

お墓参りには厳粛な作法はありませんが、あくまで宗教儀礼です。
形式ばったものではありませんが、故人や先祖への感謝を込めて手を合わせます。

お墓参りの仕方

以下の順に行われます。用意する道具については後述。
1)掃除用具や手桶と柄杓、水を用意する。墓石へ一礼、合掌。

2)墓石周りの雑草、墓石周辺の落ち葉やゴミを取り除く。

3)タワシやスポンジ、歯ブラシ、雑巾を使い、墓石を水洗い。コケやカビ、汚れを落とす。

4)花立ての中を洗い、水を入れ替える。

5)仏花を花立てに合わせて切り、花を飾る。

6)灯明の蝋燭に点火。(※使わない地域もあり)

7)線香に点火。香炉なら立て、線香皿なら寝かす。
 (※線香はめいめいで火を点ける。火を消す時は、手で仰ぐ)

8)墓石に水を掛け、故人と縁の深い者から墓石の正面で合掌。数珠を持ち拝む場合もある。
(※合掌の際はしゃがみ込んで頭を軽く傾け、墓石より上の位置に頭が来ないように注意))

9)冥福を祈りつつ、身の回りの変化などの報告したいことを心の中で語りかける。次の人と交代。

10)全員が終わったら、花と線香以外の供物を持ち帰る。

お参り時の注意点

墓石について

墓石は脆い物であり、扱いに注意する必要があります。

1)洗浄時の注意

汚れが落ちにくくても、金属タワシなどを使ってはいけません。傷が出来ます。
洗剤を使うと、石がひび割れてきます。
どうにも汚れが落ちないのなら、墓石用ブラシ、墓石用洗剤を用います。

2)酒をかけない

故人が好きだからといって、墓石にかけると、表面が変色します。

3)老朽化

何十年も経つと、壊れてきます。リフォームも可能ですから、そのような事態には一考しなければなりません。

供物は持ち帰る

供物の食べ物を置いたままにしておくと、動物や鳥が食べ散らかして、墓地が汚れてしまいます。
供物を置いた時点で故人に届いたとして、持ち帰りましょう。

神道式のお墓参り

花では無く榊を立て、線香は使いません。
礼の後は拍手。その後、二礼二拍手一礼。

キリスト教式お墓参り

墓地の掃除、白い花を飾るなど。
合掌はせず、胸の前で手を組む。

お墓参りの時期は

お墓参りとは行く日が決まったものでもなく、当然、行ってはいけない日もありません。
しかし、お墓参りに行くべき日はあります。

仏教の場合

彼岸、盆、命日の3つがその日に当たります。

自身の人生が何かしらの転機を迎えた際、先祖や個人に報告するために、お墓参りに行くというのも良く行われます。

彼岸

仏教の教えでは、現世と死後の世界の間には川があるとしています。川の向こう岸だから「彼岸」です。

彼岸は、春と秋の年2回あります。春分の日、秋分の日、それぞれを挟んだ前後3日間に渡るため、年間合計14日間となります。
初日を「彼岸入り」、中心の春分または秋分を「中日」、最終日を「彼岸明け」と呼びます。
春分と秋分は変動あり、日はその年にならないと決まりません。
2018年度は春分が3月21日、秋分9月23日。即ち、春の彼岸3月18日~24日、秋の彼岸9月20日~26日となります。

この日は生者である我々が、死者の魂と交流できる日とされています。お墓参りとは、先祖の魂に会いに行く行事となるわけです。

死者の魂が年に1度帰ってくるので迎えるとした儀礼の日です。
明治以降、地域によって日にずれがあり、全国共通ではありません。8月13日~16日または7月13日~16日となります。

命日

亡くなった日と、月も日付も同じ日を「祥月命日」、月は違っても日付が同じなら「月命日」と呼びます。
祥月命日は特に法要もあるため、お墓参りも行われます。

神道の場合

祥月命日や月命日のお墓参りが行われる事が多いです。
神道独特のものでは、「式年祭」または「霊祭」と呼ばれるものがあり、正式な決まりではありませんが、お墓参りの機会とされます。

キリスト教の場合

規定はありませんが、命日に自主的に行う事があります。宗派の違いもあります。

カトリックの場合

11月2日に「万霊節」があり、協会へミサに行くほか、お墓参りをします。、

プロテスタントの場合

月命日のお墓参りがあります。1カ月後と、1・3・7年後に行われます。

故人への近況報告

進学や就職、結婚、出産など、自身の人生の転機を迎えた際に、故人への報告として行う場合は多くあります。

お墓参りの持ち物、事前準備

事前準備

墓地に到着したら、先に寺の本堂へ向かいましょう。
住職に挨拶しなければいけません。
この時、彼岸会法要が行われていれば参加しましょう。

挨拶や法要も済み、お墓へ向かう時は、忘れず手を洗いましょう。
これは清めの意味を持ちます。

持ち物

仏具

線香、蝋燭、数珠、マッチやライターなどの着火具(風防付きライターが便利)、仏花、供物、紙皿か半紙(供物を置くため)

掃除道具(持参する物)

エプロン、軍手、雑巾、手拭きタオル、歯ブラシやスポンジなど墓石を洗浄する道具

掃除用具(墓地側から借りられる場合が多い物)

ホウキ、ちり取り、バケツ、草刈り鎌などの草刈り道具、柄杓、手桶

持ち物に関する留意点

仏花について

盆などの墓参りシーズンには、花屋でセットにしたものを手軽に購入できます。

自分で揃える際は、棘のある物や派手な色のものは避ける方が無難です。
特に他界してから日の浅い時は、白や淡い青を用いるのがスタンダードとなります。
故人が生前から望んでいたのなら、この限りではありません。

掃除道具を借りる際

寺院や霊園なら掃除道具を借りられる場合が多いですが、集落などの共同墓地などでは出来ない事もあります。

供物について

故人が生前好んでいた菓子など。肉類などは避けるべきです。

お墓参りの失礼にならない服装は

服装に関しては、葬儀の際ほどのルールはありませんが、さりとて何でも良い訳でもありません。

喪服が必要になる場合

年間法要

故人の四十九日を過ぎた後、初めて迎える盆を、「新盆」または「初盆」と呼びます。
この際は、親しい人のほか僧侶も招いて、法要を行います。

この新盆や一周忌など特別な忌日とされる日は喪服にすべきです。

盆や彼岸は、特別な忌日とはならないので、上記からは外れます。

結婚後に相手の家に対する日

結婚した相手の家、特に最初のお墓参りは、先方の先祖への挨拶の意味を持つため、喪服が無難です。
相手と相談して、堅苦しくなり過ぎない格好を決めるのも、一つの方法です。

避けるべき服装

ラフ過ぎる服装

普段着でも良いとはいえ、Tシャツ短パンというわけにもいきません。
だらしのない服装は、やはり故人や先祖への礼を欠く行為です。

また、足元が砂利な事や薄暗い事も多いため、サンダル履きなどでは怪我をする恐れがあります。

派手な飾り・色

赤い服は避けるべきです。赤は紅白、即ち祝いを連想させるので、お墓参りにはふさわしく無いとされます。
露出部の多い服、派手なネイルやアクセサリーの多用なども避けるべきです。

まとめ

葬儀に比べると規模も小さい、お墓参り。しかし、墓石を掃除するという儀式や墓石に向かって祈りつつ心の中で話し掛けるという儀式を通じる事で、家族を失った悲しさを埋める事が出来る場を作り出す、大切なものだと言えます。その厳粛な雰囲気を保つためにも、儀礼の内容をしっかり守って続けていきたいものです。